研究分担者 |
坪井 俊 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40114566)
久我 健一 千葉大学, 理学部, 教授 (30186374)
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
高木 亮一 千葉大学, 理学部, 教授 (00015562)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
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研究概要 |
本年度は、海外共同研究者ワルチャック教授に招聘され,氏の所属するポーランドのウッジ大学に赴いて積分不可能平面場について短期間の共同研究を行った.滞在期間中は,積分不可能平面場に対するエントロピーについて重点的に研究した.まず,定義を確定させること,次に,bracket generatingな平面場でエントロピーが正となる例を見出すことを作業目標とした.定義についてはほぼ解決できたと思っている.正エントロピーについては,定負曲率閉曲面の測地流(代数的アノソフ流のひとつ)の懸垂として得られるエンゲル構造がその有力候補であろうと考えて考察したが,残念乍らそのエントロピーは零であるとの状況証拠を得た.帰国後,やはり正エントロピーを持つ流を利用した別の簡単な構成により正エントロピーを持つbracket generatingな平面場を作ることはできた.しかし,この例は導平面場が特異点を持っているところにやや不満がある.エンゲル構造のような均質な平面場での例を探したいが,それについては未解決であり,研究継続中である.滞在中,ウッジ大学において積分不可能平面場に関する講演を行った. また、東京大学玉原国際セミナーハウスで開催された葉層構造に関する研究集会および旭川で開催された接触構造等に関する研究集会で本研究に関係する研究情報を入手し,研究討議を行った. 本年度は本研究の最終年度である.本研究で得られた結果の大部分は「On rigidity of submanifolds tangent to nonintegrable distributions」というタイトルで,国際会議の会議録(レフェリー付き)に所収され,今春出版された.
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