研究概要 |
前年度,8次元ユークリッド空間内の6次元部分多様体で,Spin(7)の作用で不変なものを分類したが,この分類の代数的な方法による別証明を与えた。さらに,その結果の一部を利用して,7次元球面内のある種の3次元部分多様体について研究した。 ケイリー数の積を用いて定義されるキャリブレーションとしてassociative calibration, coassociative calibrationおよびCayley calibrationがある。キャリブレートされる部分多様体は,ホモロジー類中で体積最小となることからこれらでキャリブレートされる部分多様体の研究は多くの研究者の興味をひいてきた。ケイリー数の積を用いて6次元球面上に概複素構造Jが定義されるが,6次元球面の部分多様体上の錐がAssociative [resp.coassociative] calibrationによりキャリブレートされることと,部分多様体がJに関する2次元J不変[resp.3次元全実]部分多様体上であることが同値であることが知られており,6次元球面内の2次元J不変部分多様体や,3次元全実部分多様体の研究は活発に行われてきた。 一方,ケイリーキャリブレーションでキャリブレートされる部分多様体の研究はあまりされていない。7次元球面内の3次元部分多様体で,その上の錐がケイリーキャリブレーションでキャリブレートされるものを研究することは上記と対比しても興味深い。我々は,7次元球面内の3次元部分多様体でその上の錐がケイリーキャリブレーションでキャリブレートされる部分多様体を2例構成した。
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