研究概要 |
グラフで与えられる極小曲面の方程式をminimal surface systemという。余次元が2以上の場合では興味深い現象が現れる。Dirichlet問題についてある境界写像の値を定数をかけて大きく変えていくとき滑らかな解から解のない状態へ移行する。この現象をあるところで解の特異性が現れてくると考えることができる。1つの可能性としてはminimal coneの解が現れることである。実際LawsonとOssermanはそのような解の存在をHopf写像を使って示した。これよりminimal surface systemの解としてLipchtz連続であるがC^1級でない解が得られる。このnon-parametric minimal coneの構成方法を一般化することができた。これを平成17年10月24日〜26日幾何学唐津研究集会にて「Catenoid, Ennepers' surface and non-parametric minimal cones」として講演した。 Minimal coneの研究としては塚田氏との共同研究「Another natural lift of a Kaehler submanifold of a Quaternionic Kaehler manifold to the twistor space」がある.C^NのLagrange minimal coneの構成方法を与えている。 Sigel上半空間内のリーマン行列のなす複素部分多様体(特異点集合を持つ)上のある関数族のcritical pointsの性質を調べることはトーラスの極小曲面のモジュライを調べることになる。一般化してSigel上半空間の複素部分多様体で考えれば興味深い対象となる(そのためにもSigel上半空間の対称性を詳しく知らなければならないことがわかり、Sigel上半空間についての専門的知識を提供してもらうために名城大学にて研究集会「等質空間の幾何学的諸相」を開催者の1人として開いた。 これらの研究は相互関係があると思われる。その関係を明らかにすることが今後の課題である。
|