研究課題/領域番号 |
16540060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 名城大学 (2005-2006) 名古屋工業大学 (2004) |
研究代表者 |
江尻 典雄 名城大学, 理工学部, 教授 (80145656)
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研究分担者 |
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60191855)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | minimal surface / complex orthogonal group / catastrophe / torus / energy function / moduli / Lagranigian submanifold / minimal surface system |
研究概要 |
n次元ユークリッド空間の単連結極小曲面への複素直交行列の作用をWeierstrassの表現公式を使って与えることができる。最初に与えられた極小曲面のこの作用による変形の極限で現れる極小曲面を決定した。それはEnneper極小曲面の一般化と考えられる。特に応用として正則曲線でない極小曲面への作用は極小曲面を不安定化することがわかった。 岡本崇氏との共同研究ではこのような不安定化で起こる分岐現象(カタストロフィー現象)について、3次元ユークリッド空間におけるNitsch枠と類似な枠を考えた。その枠を境界とする極小曲面について枠の変形の下でカタストロフィー現象が起こるかどうかコンピュターシュミュレーションを行い可視化を与えた。 トーラスの極小曲面についてトーラスの変形の下での極小曲面の変形空間を考える。このときトーラスの変形をパラメータとするエネルギー汎関数の極値問題と捉えることができる(微分幾何学的ショトキー問題)。したがってパラメータ空間の余法束のカタストロフィーセットであるラグランジュ部分多様体を考えることになる。これは複素構造を持つラグランジュ錐であることを示し、その構成方法を一般化した。 余次元が高い極小曲面のグラフの方程式であるminimal surface systemについて考える。境界写像によっては解の存在、非存在が起こる。境界写像の変形の下でのグラフ解の変形の極限として特異点を持つグラフ解が現れると考えられ、実際LawsonとOssermanは錐を与えるグラフ解を構成した。彼らの方法を一般化して錐となるグラフ解の構成方法を与えた。更にこれらの解は変形空間を持っていることもわかった。 これらの研究を統合した極小曲面の変形理論を与えることは重要であり今後の課題として残った。
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