研究課題
双曲力学系、例えば負曲率多様体の測地流の閉軌道の長さの分布について調べている。長さの分布そのものに対しては素数定理の幾何学的類似が、またその群拡大に関しては、アーベル群の場合はDirichletの算術級数定理の幾何学的類似が成立することが知られている。アーベル拡大の研究はコンパクト多様体のアーベル被覆上のランダムウォークの時間無限大での漸近挙動の研究と共通点があることが知られている。ベキ零群の場合の閉軌道の分布を知りたいのであるが、ベキ零被覆における石渡やその元になったAlexopoulosの研究からヒントが得られないか検討した。その他、以前からの研究である逆問題の幾何学的研究として境界付リーマン多様体の境界距離表示から内部距離を決定する問題に関して、安定性と再構成についてまとめた。これは熱方程式や波動方程式の逆問題に関する応用を持つ。以上の他、清原はリウビル多様体の測地線の挙動を調べ、カットローカスの形状を研究した。田村は2つの2次元ソレノイド磁場による散乱に対する準古典問題について調べた。島川は配置空間のトポロジーについて研究した。酒井は種数2の閉曲面に対する等縮不等式について検討した。池田は等スペクトル多様体について検討した。吉岡は距離空間の一般化をg-functionを用いて研究した。竹内は多様体およびグラフのp-調和関数およびそのフローについて研究した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Inverse Problems and Imaging 1
ページ: 135-157
Sugaku Expositions 19
ページ: 105-116
J.Reine Angew.Math. 592
ページ: 157-188