研究課題/領域番号 |
16540070
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
阿賀岡 芳夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (50192894)
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研究分担者 |
宇佐美 広介 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90192509)
中山 裕道 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30227970)
今野 均 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00291477)
兼田 英二 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90116137)
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キーワード | リーマン多様体 / 部分多様体 / シンプレクティック群 / 標準埋め込み / 剛性 / 第2基本形式 / ガウス方程式 / 曲率 |
研究概要 |
今年度はシンプレクティック群Sp(n)の標準埋め込みの局所的な剛性の研究、及び低余次元の等長埋め込みにおける曲率と第2基本形式の満たすべき高次の関係式に関する研究を行った。 1.シンプレクティック群Sp(n)は4n^2次元のユークリッド空間に等長に埋め込めること、またこの埋め込みが局所的にみても最小次元の等長埋め込みを与えていることが既に知られていた。今年度は研究分担者である兼田英二氏と協力して、この標準埋め込みが局所的にも剛性をもつことを証明した。この事実を示すためには、Sp(n)の余次元が2n^2-nにおけるガウス方程式の解の本質的な一意性を証明する必要があるが、ルート系の理論を用いて帰納的に第2基本形式の形を決定することに成功した。 2.リーマン多様体Mが低次元のユークリッド空間に等長に埋め込めるためには、Mの曲率がある種の条件を満たさなくてはいけない。この条件を具体的に求めることは等長埋め込み問題における重要な課題の一つであるが、現在のところ余次元がおおよそMの次元に等しいところまでしかそのような条件は知られていない。より高い余次元における曲率の関係式を求めるための第一段階として、曲率と第2基本形式の満たすべきある種の高次の関係式を余次元が3の場合まで求めることに成功した。この関係式を基にすれば、余次元が3以下のリーマン部分多様体の曲率の形を調べることが可能となる。この研究はまだ中途の段階にあるが、更に高い余次元へと関係式を一般化し、対称空間等の具体的なリーマン多様体への応用を今後目指す予定でいる。
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