研究課題/領域番号 |
16540073
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下村 克己 高知大学, 理学部, 教授 (30206247)
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研究分担者 |
逸見 豊 高知大学, 理学部, 教授 (70181477)
小松 和志 高知大学, 理学部, 助教授 (00253336)
大川 哲介 広島工業大学, 工学部, 助教授 (60116548)
疋田 瑞穂 広島県立大学, 経営学部, 教授 (80156570)
中井 洋史 大島商船高等専門学校, 講師 (80343739)
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キーワード | 安定ホモトピー圏 / 有限スペクトラム / Adams-Novikovスペクトル系列 / Johnson-Wilsonスペクトラム / Bousfield局所化 / 球面のホモトピー群 / 可逆スペクトラム / ピカール群 |
研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って、下記の研究成果を得た。以下ではL_nでv_n^{-1}BPで局所化されたスペクトラムのなす安定ホモトピー圏をあらわす。 1.下村克己はL_2の自己同型全体のなすピカール群Pic(L_2)の要素に対応するスペクトラムから得られる、ムーア空間と同じv_2^{-1}BPホモロジー群を持つスペクトラムを構成すると共にピカール群と一見関わりの無い同様のスペクトラムも構成しそれらのホモトピー群をすべて計算した。その結果ある部分群のv_2倍を除いては同型となり、v_2の作用する部分群に本質があることを示した。 さらに、中井洋史と共に、一般のnに対し安定ホモトピー圏L_nの中でRavenelのスペクトラムを考えると戸田-Smithのスペクトラムとはある意味逆のイデアルを持つスペクトラムが構成できることを示し特にn=2の場合にそのスペクトラムのホモトピー群を決定した。 2.逸見豊は環スペクトラムを定義するひとつの対象としてのH-空間の高次結合性の構造を考察して、H空間の間の写像がH写像であれば、その写像は射影平面の間の写像を誘導し、その写像の値域であるH空間がホモトピー結合的ならその逆が成り立つが、このホモトピー結合性の仮定ははずせないことを示した。さらに、その結果をA_n空間に拡張した。 3.小松和志はn=1に対する安定ホモトピー圏L_1を定義するK-理論を用い、その特性から、2n+1次元mod3レンズ空間の(4n+3)次元ユークリッド空間へのimmersionから得られる法バンドルに関してstable unextendibilityを述べている。さらにstable extendibilityとレンズ空間上のベクトルバンドルのspanの関係を調べている。 4.大川哲介は安定ホモトピー圏をBousfield類に着目し考察すると共に、さらに圏論的にホモトピー論の基本手段であるスペクトル系列を考察している。 5.疋田瑞穂は安定ホモトピー群を決定するための強力な道具であるAdamsスペクトル系列の$E_2$-項を決定するのに必要なSteenrod代数についての考察を行い非輪状関係を示した。
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