研究課題/領域番号 |
16540076
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
入江 幸右衛門 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (40151691)
|
研究分担者 |
渡辺 孝 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (20089957)
山口 睦 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 助教授 (80182426)
加藤 希理子 大阪府立大学, 理学系研究科, 助教授 (00347478)
吉冨 賢太郎 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 講師 (10305609)
|
キーワード | 幽霊写像 / リー群 / ループ空間 / スティーロッド作用素 |
研究概要 |
整係数ホモロジー群がねじれ元を持っているようなリー群のループ空間からでる普遍幽霊写像の安定懸垂位数が無限大になることを、昨年度の研究で示した。また、これに関連して例外リー群でE_8以外のもののループ空間は、安定ホモトピー圏で分解不可能であることも示した。今年度は、整係数ホモロジー群がねじれ元を持っていないリー群のループ空間の安定ホモトピー圏での分解不可能について研究を行った。リー群がSU(n)の場合については、すでに分解可能であることがMitchell-Richterの研究により知られている。他方、Sp(n)に関しては、Hopkins,Hubbuckによってn=2,3の場合にそのループ空間は安定ホモトピー圏で分解不可能であることが知られているのみであった。今年度の我々の研究により、Sp(n)はnが2以上のとき、そのループ空間は安定ホモトピー圏で分解不可能であることが証明された。その証明においては、河野-小島により計算されたSp(n)のループ空間上のスティーロッド作用素の計算結果が大きな役割を果たした。つまり、Sp(n)のループ空間ΩSp(n)のmod2係数のホモロジー群を考え、その0でない元を頂点とし、スティーロッド作用素で結ばれる2元は道で結ばれていると考えてできるグラフG(ΩSp(n))が高々3つの連結成分しか持っていないことが河野-小島の計算結果を用いて示すことができた。これにより、ΩSp(n)の安定ホモトピー圏で分解不可能の問題がn=2の場合の問題に帰着され、Hopkins,Hubbuckの結果を用いることにより問題が解決された。
|