弦理論に出てくるD-brane of A-typeはKapustin-Orlovによって数学的に構成されたがその変形理論はまだ未完成である。もし D-brane of A-typeがLagrange submanifoldのときはさまざまな研究がありその構造は完全にわかっている。(実際Hitchin等によりspecial Lagarange submanifoldの美しい理論がある)。この結果をそのままのかたちで一般の D-brane of A-typeに拡張するには無理がある。それは実超曲面でも無理である。その理由は第一にsubmanifoldとconnectionの変形を同時に考えなくてはいけないからである。(special Lagarange submanifoldのときはspecial Lagarange submanifoldの変形だけで十分であった。)そして第二にHamilton力学系で複素解析的性質を議論するのは意味付けが困難だからである。筆者は実超曲面型のD-brane of A-typeの場合に以下のことを考察した。 (1)D-brane of A-typeより定まる実超面上の概CR構造は可積分系ではないがcharacteristic foliationも込めて考えると可積分系になる。これよりdeformation complexが構成できる(筆者はKapustin-Orlov complexと名前を付けた)。 (2)上のKapustin-Orlov complexは楕円型であることが示せた。 これより変形理論が展開可能になった。 上記の結果は現在、投稿中である。
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