研究概要 |
本研究は、CR幾何を弦理論への応用を考えて、そのmoduliの構造を調べることを目標とした。 Kapustin-OrlovによってD-braneの特殊なものとして、A-braneが提唱された。 A-braneとは、複素多様体内のコンパクト実部分多様体で、その上に線束と接続が存在し、Kapustin-Orlovの関係を満たすものである。(接続と実部分多様体上のCR構造は、Kapustin-Orlovの関係があるとする)。 筆者は、このA-braneのmoduliの構造(Hamiltonian flowによる部分は無視して)、特にその変形の次元を調べ、A-braneの変形のdeformation complexをつくることに成功した。 これは、次元が中間次元のA-brane、すなわちLagrange submanifold(この場合は、Kapustin-Orlovの関係より接続は自明となる)のmoduliが第一コホモロジーで表現されることの一般化である。 この結果は、現在投稿中である。この問題に関係して、筆者は、Kaehler manifold内のstrongly pseudo-conVex real hypersurfaceのKaehler structureの変形に関する論文を書いた。 これは、JMAAの2006年のN.322,P207-P213に発表された。この研究は、現在、考察中のCR Hamiltonian flow(筆者の定義した)によるscalar curvatureの不変性の研究につながっている。
|