局所基本群が自明な場合の制御手術完全列がPedersen-Quinn-RanickiやFerryらによって与えられているが、我々が昨年度Pedersenと共同で証明した、制御手術障害類群のかなり一般的な場合における安定性を用いれば、同じ条件下で、制御手術完全列が得られる可能性が高い。今年度我々は、まず、CW複体に関する制御ホモトピー理論をきちんと作り上げるところから出発した。具体的には、幾何的連結性の議論が幾何学的制御のある場合にも同様にできることの証明ができた。これはQuinnが写像のエンドに関する論文で用いた議論を、幾何可群のひも付き準同型写像を用いて書き直すことにより得られた。ここまでの部分はプレプリントとしてまとめた。次の課題は制御π-π定理の証明であるが、これに関してはFerryの議論を参考にして、その一般化を試みる予定である。 同時に我々は、この制御手術完全列が得られた際の応用としてどのようなことができるか検討を行った。第一に、4次元の場合の手術完全列が、Freedman-Quinnの意味で「よい」局所基本群の場合に証明できれば、Hegenbarth-Repovsの方法を用いて、ある種の4次元位相多様体に対して手術の基本定理が成り立つことが証明可能であることがわかった.第二に、整数係数のNovikov予想に関して、以前より詳しい情報が得られそうであることがわかった。
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