研究概要 |
昨年度、双曲結び目Kの外部E(K)と2次元円板Dの直積の作る5次元多様体の境界として得られる4次元多様体M(K)について、位相カテゴリーにおける手術列S(M(K))→[M(K),G/TOP]→L_4(π)が完全であることを証明したが、これを拡張して、次の結果を得た:「定理:Xを境界のある3次元多様体で、アセンブリ写像A:H_4(X;L)→L_4(π_1(X))が単射であるとする。Xと2次元円板の直積の境界をMとする。このとき位相カテゴリーにおけるMの手術列は法不変量の項において完全である。さらに、Xの任意のCW脊柱Bに対してMからのUV1写像p:M→Bが存在し、任意のε>0に対し、次が成り立つ:位相的法写像(f,b):N→Mの手術障害類が消えるならば、(f,b)を手術して、ε制御ホモトピー同値写像に変えることができる。」X=E(K)が昨年度の結果であり、任意の結び目・および非分離絡み目Kに対してE(K)が上の定理の条件を満たすことがわかる。そのほかの応用例もある。 それとは別途に、ラニツキのポアンカレ2次複体に関するアセンブリについて研究を行った。研究代表者が過去に発表したアセンブリの議論は制御L群とホモロジーを関連づける重要な役割を果たすが、その中に不十分な点が発見された。アセンブリに関しては、私の議論の他に、ラニツキやヴァイスによるものなどいくつかあるが、どの議論も細かいチェックがなされているとは言い難い点がある。現在、ハンドル分解を用いた帰納的な議論によるアセンブリの構成を検討中であり、来年度、引き続き検討を続ける。
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