研究概要 |
微分可能関数の閉集合上の振る舞いを扱うときは補間法が重要となる.本年度はそのためにラグランジュの補間法の多変数化の会得に力を入れた.多くの文献とインターネット検索によって,この間題にはいろいろな流れがあることがわかった. 補間法そのものを追及していた人たちのほかに,Macauleyに始まりGoebnerを経由する代数の流れがあり、またホロノミックな定数係数偏微分方程式系の流れである.これらは近年盛んな計算代数にもつながっている. 本年は代表者が不案内なこれらの成果を見極め,学習することを行った.それによると多変数の補間法は,1990年代で完成していることがわかった.したがってこれらに関してはオリジナルな成果は得られなかった.しかし研究者の流儀によって文献やWEB資料は分岐し見通しが大変悪いので,今サーベイを作成中である. 本年完成したのは,この課題の出発点である「Restrictins...」である.これは閉集合上で定義された関数が,滑らかな拡張を持つための条件を問う,1934年のWhitneyの問題に関連している.これは当初のわずかの結果を除いて,まったく進展しなかったが,2004年にBieastone-Milman-Pawluckiが高階接空間を定義し,問題の一部分を解決し,一つの予想を立てた.代表者の論文は彼らの結果の一つを拡張するものである.これによると古典的なフラクタル集合に対して,BMPの予想が正しいことがわかる.
|