研究課題/領域番号 |
16540091
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中坊 滋一 久留米工業高等専門学校, 一般科目理科系, 助教授 (80259960)
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研究分担者 |
高橋 正郎 久留米工業高等専門学校, 一般科目理科系, 助教授 (70311107)
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キーワード | 有限型不変量 / 量子不変量 / 代数絡み目 / 2橋絡み目 / Kauffman多項式 / Q多項式 / Chebyshev多項式 |
研究概要 |
量子不変量の情報から有限型不変量がどれくらい記述されるかという問題に対しては、いくつかの一般的なアプローチが知られている。本研究の主目的は、有限型不変量の量子不変量による特徴づけを、代数絡み目と呼ばれる特別な絡み目の族に対して遂行することにある。 研究代表者はこれまでの研究で、代数絡み目の一種、2橋絡み目について、HOMFLY多項式及びJones多項式と呼ばれる2つの代表的な量子不変量を明示的に表示する公式を与えている。その他の量子不変量での挙動を観察するため、今年度は昨年度に引き続き、2橋絡み目のKauffman多項式を明示的に表示する方法の調査を中心に研究を進めた。その結果、Lickorishの行列表示公式に基づいた計算機実験から得られる結果を分析することにより、Kauffman多項式およびその1変数特殊化であるQ多項式を、Chebyshev多項式を用いて表示する方法を明らかにすることができた。これらの結果については、国際学会を含む3つの研究集会で報告済みであり、その概要は久留米工業高等専門学校紀要で公表している。 Chebyshev多項式は整数論や組合せ論、さらには応用数学など数学のあらゆる分野と深く関わっており、今後の研究で他分野との新たな関連が見つかる可能性も期待される。また、これらの公式を、プレッツェル絡み目、Montesinous絡み目、そして一般の代数絡み目のクラスヘと拡張し、さらに、その他の量子不変量に対する同種の公式についても調査していく。これらの準備をふまえて、代数絡み目の有限型不変量がなす空間の基底を明らかにしていく予定である。
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