研究概要 |
非可算無限を可算無限から区別する決定的な事実は,非可算集合の部分集合に対して定常性の概念が定義できることである.大雑把にいって,定常性とは組合せ論的な意味での測度正のことである.P_κλの組合せ論は,定常集合を最も一般的に取り扱う.ここでκは正則な非可算基数,λはκ以上の基数である. κをλ-超コンパクト基数とするときP_κλ上の超フィルタは重要な研究対象である.κをλ-超コンパクト基数とするときP_κλ上の正規な超フィルタで性質χをもつものが必ず存在するか?はいまだに未解決である.論文[3]ではこれより少し弱い性質をもつものを構成した.その証明から一般連続体仮設を仮定すると性質χをもつものが存在することがわかる.この結果は相対的無矛盾性証明に活用できる. Shelahとの共同研究[2]ではκがω1より真に大きく,λがκより真に大きいときP_κλの定常反映原理は成り立たないことを示した.さらに定常集合の反映原理の応用面についても進展があった.論文[4]ではP_<ω1>λ上のDiamond原理を証明したShelahの結果を2通りに拡張した.論文[5]では」%λ上のクラブフィルタは前飽和的になりうるというForeman-Magidor-Shelahの有名な結果を拡張することができた.
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