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2004 年度 実績報告書

放物型偏微分方程式系のサンプル値制御に関する理論的・数値実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540111
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐野 英樹  鹿児島大学, 学術情報基盤センター, 助教授 (70278737)

キーワード線形放物型システム / 非有界出力作用素 / サンプル値H∞制御 / 有限次元コントローラ / 剰余モードフィルタ
研究概要

本研究では,出力作用素が(-L)^γ(0<γ<1/2)に従属する非有界性を有する線形放物型システムを取り上げ,外乱に対してロバストなサンプル値H_∞コントローラの一構成法を与えている.例えば,境界制御を有する線形拡散システムは,このようなタイプの非有界出力作用素をもつ線形放物型システムとして定式化できる.一般に,実システムをコンピュータを用いて制御しようとするとき,制御対象は連続時間系であるのに対してコントローラは離散時間系となる.そのため,制御対象にコントローラを実装するためにはサンプラとゼロ次ホールドが必要となる.したがって,制御系全体を考えると連続時間系,離散時間系,サンプラ,ゼロ次ホールドが組み合さった複雑なシステムとなる.
本研究では,(-L)^γに従属する非有界性を有する出力作用素をもつ線形放物型システムにサンプラとゼロ次ホールドを取り付けたシステムに対して,リフティングの手法を用いて等価的な無限次元離散時間システムに変換している.そして,この無限次元離散時間システムに対して状態空間が有限次元となるモデルを導出し,そのモデルに対してH_∞制御を達成するための有限次元離散時間コントローラを構成している.しかしながら,このような方法で構成されたコントローラが,もとのサンプラとゼロ次ホールドを有する線形放物型システムに対して,必ずしもH_∞コントローラとして機能しているとはいえない.そこで,離散時間剰余モードフィルタを付け加えた形のコントローラを考案し,これが有限次元のサンプル値H_∞コントローラになり得ることを証明している.また,有限次元サンプル値H_∞コントローラの具体的な設計手順を与えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 非有界出力作用素をもつ線形放物型システムのサンプル値H∞制御2004

    • 著者名/発表者名
      佐野 英樹
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集 Vol.40,No.9

      ページ: 915-924

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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