研究概要 |
坪井は池田一磨との共同研究でペアノ算術PAのモデルの同型に関して,次の結果を得た。PAの標準モデルである自然数の初等拡大Mにおいて,Mと初等同値なモデルNがMの中でパラメタなしで定義可能ならばNとMは同型で,その同型写像も定義可能である。しかし,Nをパラメを使って定義してよいことにすると,NとMが初等同値だがNとMが同型でない例や,NとMが同型であるがその同型写像はPAの言語で定義可能でない例を与えた。 渡邊は播磨との共同研究で,graded Artinian K-algebraに対し,様々な条件のもとで,強Lefschetz性や弱Lefschetz性に対する必要十分条件をいくつも与えた。Aがstandard gradgd Artinian K-algebraでKの標数が0の場合の特徴づけにより,強Lefschetz性をもつcomplete intersectionの新しいクラスを発見した。 Standardでない場合についても強Lefschetz性の特徴づけを与えて,ある形で定義されるcomplete intersectionが強Lefschetz性をもつことを示した。 桔梗は有限対称群と交代群に対するcentral gap numberの下限と,位数の小さい場合に対する値を正確に与えた。次数が3のとき,対称群と交代群のcentral gap numberはそれぞれ2と0,次数が4,5のとき,それぞれ4と2になり,次数が6,7のとき,それぞれ6と4になる。nが8以上のとき,次数nの対称群と交代群のcentral gap numberはそれぞれn以上とn-2以上になる。次数nが11まで,対称群と交代群のcentral gap numberはそれぞれnとn-2になる。 ベクトル空間のgeneric自己同型の理論は可算安定でそのMorley階数がちょうどωになることも得られた。
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