研究課題
基盤研究(C)
歴史研究の第一歩は現存する文書を正しく読むことである。特に写本でしか残っていない文書の場合、諸本を校訂し原形を推定することから始まる。われわれが研究の対象とした江戸時代の数学、清代の満州語科学文献についても、このことの重要性は認識されている。日本科学史学会の機関誌「科学史研究」は2002年「解伏題之法」に関する小松らの論文を掲載拒否したとき、校訂記録のない「關孝和全集」を引用したことをその理由の一つに挙げていたほどである。しかし、現実には「關孝和全集」にあるどの一つの文書についでも、未だに校訂本の出版は行われていないと思われる。小松の主要な研究成果は關孝和の「三部抄」すなわち「解見題之法」「解隠題之法」「解伏題之法」の山路主住本の校合を行い、校訂本とその読み下しを作成したこと、及び「關全集」には含まれていない建部兄弟との共著「大成算経」全20巻の校訂と読解の仕事の約半分を行ったことである。うち巻之八、九、十の3巻の校訂本は研究成果報告書に発表した。また、フーリエの主著「熱の解析的理論」を読み、フーリエはフーリエ級数展開定理及びフーリエ積分定理を定式化したが証明はできなかったという通説が間違いであることを立証した。渡辺は満州語のユークリッドというべき「算法原本」、及び医学書「格体全録」についてローマ字化、英訳、和訳を行い、その主要な部分を出版した。これらは満州語科学文献に対する実質的な研究として世界最初のものである。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (19件)
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