研究課題
基盤研究(C)
(1).多変数整関数空間の位相同型問題多変数関数族の要素を、より少ない個数の変数を引数にもつ幾つかの関数の重ね合わせで表現できるか否かという重ね合わせ表現の可能性を判定するという問題と、多変数関数族から構成される位相空間同志の同型性を判定するという問題は、Baireのカテゴリー定理を用いて解決できるという点で、ある種の共通性を有している。この事実は、ある種条件を満たす多変数関数族に関する重ね合わせ表現問題が解決した場合には、同じ種類の条件を満たす多変数関数族に関する同型問題も解決される可能性が高いことを示唆している。本研究では、複素平面およびその直積空間に定義域を有する整関数族に関する重ね合わせ表現問題の手法を同型問題に応用することにより、引数となっている変数の個数が、完全不変量であることを証明した。(2).Simpson公式の多次元拡張とデータ圧縮問題への応用1変数の2次関数が、シンプソンの数値積分公式において、重要な役割を果たすことは良く知られているため、2変数2次関数などによる非線形近似が、より高い次元での数値積分の高精度化に有用であることが予測できる。本研究では、シンプソンの数値積分の近似公式の2次元拡張を実現した。さらにこの公式を用いると、与えられた数値表テーブルが、十分滑らかな関数によって構成されている場合、(例えば、全ての第2階偏導関数が定義域内で有界である関数によって構成されている場合、)元の数値表の約半分のデータを用いるだけで、その数値表全てのデータを用いた場合と同程度の近似精度を達成できることを示した。これは、2次元数値表のデータ圧縮に応用され得る結果である。(3).コンパクト完全不連結領域を持つ力学系の直積記号力学系への埋め込み問題「コンパクト完全不連結領域上で定義されたε-非拡大的力学系が、記号力学系に位相幾何学的に埋め込み可能である」という結果を用いて、この力学系を構成する位相写像が、必ずしもε-拡大的でない場合にも、位相幾何学的に埋め込み可能となる空間を構成した。この力学系を具体的に表現する空間は、可算無限個の記号力学系の直積空間として構成されるが、この結果は、前述の結果の更なる一般化となっていることを示した。
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