研究課題/領域番号 |
16540122
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 理 日本大学, 文理学部, 教授 (10096844)
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研究分担者 |
濃野 聖晴 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10117046)
森 真 日本大学, 文理学部, 教授 (60092532)
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キーワード | フラクタル集合 / ウェーブレット解析 / 離散ラプラス作用素 / 進化モデル |
研究概要 |
本研究においては、フラクタル集合上の解析学の構築とその生物進化への応用を取り扱った。 進化は単純な細胞からより複雑な組織を持った生物へと進行したと考えられる。またメンデルの法則に見られるように進化の過程は一定の演算の繰り返しとして表わされる。したがって、この過程はフラクタル構造を形成することが期待される。従ってフラクタル集合上の解析学の構成は重要となる。本研究においてはフラクタル集合上にウェーブレット解析を構築しこの基定を用いて進化に見られるフラクタル性を実現した。これについて次ぎの事柄が示された: (1)フラクタル集合の生成規則を解析することによりその周期性がどのような基底でどのように現れるかを明かにした。 (2)フラクタル構造から離散力学系が得られるがこの生成関数を考えると様々な分野の様々なゆらぎが実現できることが示された。これによりフラクタル集合上の解析はゆらぎ解析の基礎を与えるものと期待される。 つぎに進化についての結果を述べる。進化については多くの人々が研究を行っているが、決定的となるものは得られていない。ここでは離散ラプラス作用素の反復力学系が有望な候補者の一つであることを示した: (3)水の結晶、デザインの生成等組織化をよく再現することが分かった。 (4)カンブリア紀からペルモ紀にいたる古生物の進化、ここでは進化は科数の時代変化を意味する、をよく記述する。特筆すべき点はカンブリア紀の科数の爆発的な増大、オルドビス紀、セシル紀、ペルモ紀の大絶滅もよく記述することが分かった。
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