研究概要 |
本研究の目的は,次の二つの未解決問題に関して解決の糸口を見つけることにあった. Lachlan予想:安定な理論の可算モデルは1個かあるいは無限個. Baldwinの問題:Generic構造が超安定ならばω安定か. 平成16年度の初めに,Lachlan予想に関連する部分的結果を得,8月に開催されたモデル理論研究集会,9月に開催された日本数学会で発表した.その後,Baldwinの問題に関する部分的結果を得,平成17年3月に開催されたRIMS短期共同研究で発表し,まとめた結果はRIMS講究録に掲載された.さらにその結果を改良し,「Generic飽和グラフは超安定ならばω安定」という結果を得た.この結果は7月に開催されたLogic Colloquium 2005で発表され,Journal of Mathematical Society of Japanに掲載された.その後さらに改良を試みいくつかの結果を得た.それらは9月に開催された日本数学会,RIMS研究集会でそれぞれ発表した.それらの内容をまとめた結果が, 定理:クラスKが擬部分構造に関して閉じているとき,K-generic飽和構造は超安定ならばω安定. であり,この結果はRIMS講究録に掲載された.一方,神戸大の桔梗氏,筑波大の坪井氏との共同研究により,generic 構造の公理化に関する結果を得,9月に開催された日本数学会で発表した.その後,generic構造の公理化とランダムグラフとの関係を解析し,その結果を平成18年5月に開催されたRIMS研究集会で発表した.そして,桔梗氏,坪井氏との共同研究により次の結果を得た. 定理:任意の実数αに対して,generic構造は∀ヨ公理化可能. この結果は9月に開催された日本数学会で発表された.
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