7月3-10日にポーランドのボルデボで開かれたBorsuk Conferenceで「Making spaces wild」という題目の招待講演を行った。内容は多様体など局所的に良い性質をもつ空間Xの稠密な点にHawaiian Earringを張りつけ、野性的空間とする。この出来た空間の基本群から、既にGreg Connerと本研究者によって導入されている群から空間を構成する方法によって、空間Xが復元されるというものである。群から空間を構成する方法は野性的一次元空間の基本群の研究から端を発しているが、この方法により、多様体などの空間も非可算非可換群を表現するものとして考えることができることを示しており、ある種の非可算非可換群の性質を空間の性質によって研究できる可能性を広げている。この研究は証明の基本的部分で語の問題がからんだ非可換群の詳しい研究が必要である。それについて「Atomic property of the fundamental groups of the Hawaiian earring and wild eano continua」という題で、この集会のProceedingに投稿中である。 10月には、共同研究者であるタジキスタンアカデミー教授Umed Karimovを召喚した。このときの共同研究の一部は10月11-13日に京都数理解析研究所で行われた研究集会「一般・幾何学的トポロジーと幾何学的群論」において、Umed Karimovによって発表された。内容は2次元Cell-like continuumで単連結で2次のホモトピー群が非自明な空間に関したことである。 ポーランドではアメリカユタ州のGreg Connerと共同研究を行った。Greg Connerとはこの科研費の補助のもと既に共著論文が出版されている。
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