研究概要 |
(1).ブレーン宇宙論などの高次元宇宙における重力波解析を応用を動機にした空間的次元を一般化したEinstein方程式の数値シミュレーションについて研究した.その安定性解析のベースとなる拘束条件の伝播を求め,論文"Constraint propagation in N+1 dimensional space-time"を公刊した.発展方程式と拘束条件式は次元に依存するが,拘束条件の伝搬式は次元に依存しない形で書けることが分かった.(2).最近の数値相対論研究の動向や真貝米田の研究についてまとめ,論文"Formulation problem in numerical relativity"を投稿し,掲載決定された.特に応用数理的な視点から数値シミュレーションの安定性の解析方法,問題点,他の方程式のシミュレーションにはない特徴などを報告した.ペナルティ・ゲイン法などの応用数理の他分野の数値解析テクニックを数値相対論へ応用することを現在検討中である.(3).Einstein方程式の数値シミュレーションの安定性を拘束条件の伝播拡大係数を使って解析する方法およびその発展方程式を補正することで安定性改善を実現する方法を,2004年9月にTenth International Conference on Hyperbolic Problems, Theory, Numerics, Applicationsにおいて講演した.講演タイトルは"Formulation problem of the Einstein equation for numerical simulations". proceedingにそのまとめを投稿中である.また,突発的に発生する数値エラーを制御するためには,動的に補正を行うことの必要性を報告し,その具体的方法については現在研究中である.
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