解析的な方法では解くのが困難なEinstein方程式のダイナミカルな解について、数値計算により解を求めることを目的として、その手法を研究した.特に重力波の発生・伝搬シミュレーションについて、束縛条件を発展方程式に加える方法について理論的かつ数値実験による実証的に研究を続けた.ここまでの研究成果としては、固有値解析による補正の手法が有効であると言える成果を得ている一方、ある種の原因により数値的に発散している場合には、その原因を取り除くことが先決であり、固有値解析による補正の手法は計算寿命を多少延ばすだけであることも分かった.これらについての研究の進展、特に束縛条件の発展方程式が2次式になるのを防ぐ手法とその効果についてまとめ、研究分担者の真貝氏と共同で「Controllonig constraint violation using adjusted ADM systems」としてシドニーにおける一般相対論と重力の国際研究集会The 18th international conference on general relativity and gravitationでポスター発表した。また研究分担者の真貝氏は木内氏と共同してBSSN形式における補正の有効性を多方面から確認し、論文「Numerical Experiments of adjusted BSSN systems for Controllonig constraint violations」を研究雑誌Physical Review Dに発表した。
|