研究概要 |
1.分割の性質について: P_κλ上の正規極大フィルター及び弱い分割の性質をもたない集合の成すイデアルという,大きさの点で対極にある集合について,次の成果をあげた; (1)「κがλ supercompactならばP_κλ上に分割の性質をもつ正規極大フィルターが存在する」という加茂の定理に別の観点から,より見通しの良い証明を与えた. (2)弱い分割の性質をもたないP_κλの部分集合の成すイデアルはκ^+ saturatedではないことを示した.これは,κの任意のunbounded set Aに対し,{x∈P_κλ|x∩κ∈A}がこのイデアルに属さないことを示すことにより得られた. (3)P_κλ上の分割の性質をもつ最小のイデアルはλ^+ saturatedではないことを示した. 2.Stationary reflectionについて: Stationary reflectionについては,限られた場合に整合的であることが知られていたが,それ以外の場合には成り立たないことを示し,この問題の最終解決に至った. 3.その他: 今年度の研究課題の項目としてはあげなかったが,関連する事項についても進展があった. (1)「P_κλのunbounded setとstationary setの最小濃度は等しい」というShelahの証明には誤りがあったが,それを修正し,より簡明な証明を与えた. (2)h∈ω^ωに対し,Π_h:={f∈ω^ω|∀nf(n)<h(n)}とする.Π_hの2つの部分族の基数不変量に関するいくつかのZFCの定理と独立性証明を行った.
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