研究課題/領域番号 |
16540133
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
立澤 一哉 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (80227090)
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研究分担者 |
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30002174)
林 美樹廣 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40007828)
小澤 徹 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70204196)
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
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キーワード | ウェーブレット / 重み付き空間 / Hardy空間 / 非線型波動方程式 / 非線型変分問題 |
研究概要 |
今年度は重み関数の付いたHerz空間のウェーブレットによる特徴付けを求めた。重み付きのHerz空間における同様な研究としては、Tang-Yangによるベクトル値型の不等式についての研究があるが、彼らの結果における重み関数についての条件には誤りがある。そこで本研究では、彼らの結果を修正した形で、重み付きHerz空間のウェーブレットによる特徴付けを与えた。 また一般にcommutant lifting theoremは2つの縮小写像に対しては成立せず、特にbidisk上のHardy空間のcompressed shiftsの場合でも成立しない。そこで本研究では、多くのcompressed shiftsではcommutant lifting theoremが成立することを示した。またその結果をCaratheodoryとNevanlinna-Pickの補間問題に応用した。 また2つの重み付きHardy空間の間のisometric composition作用素Cを研究し、特にCの値域が重みのないHardy空間の場合に、そのsymbolのNevanlinna counting functionを用いて研究した。 また非線型波動方程式の自己相似解の存在は、優Strauss臨界かつ劣共形冪では空間次元が3のときはPecher,2のときは肥田野によって得られていた。優共形かつ劣ソボレフ臨界冪ではRibaud-Youssfiによって高次元化されたが、劣共形冪の場合の高次元化は未解決であった。本研究では重み付きStrichartz評価を新たに導入し、優Strauss臨界かつ劣共形冪で非線型波動方程式の自己相似解の存在と一意性に関する高次元化に成功した。 また非線型楕円型変分問題の特異解の研究を行った。これは非線型変分問題が非有界関数やディラック測度などの特異極値関数を持つ場合の理論構成を目指すものである。この問題に対するオイラー・ラグランジュ方程式は準線型となるので、昨年度までの研究を応用し特異解の構造解析を行った。具体的には、ソボレフ型不等式の極値関数を決定し、具体的な計算を行った。
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