研究概要 |
少量データトモグラフィの研究の続きとして,2方向投影データからの原画像再構成問題に,今年度新たに,再構成像のセルを置けない禁止領域を設定した場合に,再構成アルゴリズムと,解全体の成す集合のスイッチンググラフの構造を研究し,その成果をハンガリーにおける離散幾何学の国際会議DGCS2006において学生と共同で発表した.これは,先見的知識を利用した少量データトモグラフィの問題として応用上も興味深いであろう.この成果はシュプリンガー社のLNCSシリーズから会議録として出版されたが,証明の細部や実例を補った拡大版を大学の紀要からも出版した.この研究の続きとして,一般にスイッチンググラフがハミルトン閉路を持つことが最近証明でき,また与えられたグラフをスイッチンググラフに持つ最小図形のサイズに対する評価を与え,これを基礎に,小さなサイズのスイッチンググラフの計算機による数え挙げの研究に着手した.これらの成果は次年度に秋山仁先生とフバタル先生の還暦記念国際シンポジウムで発表予定である. ログ型非線型項を持った熱方程式に対する爆発の臨界指数の研究は,抽象的な臨界指数の完全な存在証明に成功し,大学の紀要に発表した.引続き,一般化放物型領域におけるログ型臨界指数の具体的な値の計算を行っている. 電子署名に印鑑や署名のシンプルな画像データより成る可視マーカを組み込み,ビジュアルに署名の認証成功が確認できるようにする方法を考え出し,暗号と情報セキュリティシンポジウムSCIS2007で学生と共同発表した.
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