研究課題/領域番号 |
16540141
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60004446)
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研究分担者 |
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
牛島 照夫 電気通信大学, 名誉教授 (10012410)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
鈴木 麻美 愛知学泉大学, 経営学部, 助教授 (10236010)
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キーワード | 関数微分方程式 / 線形差分方程式 / 周期解 / 概周期解 / 安定性 / 音場問題 / 円外帰着波動問題 / 解析的差分方程式 |
研究概要 |
1.関数微分方程式と差分方程式の融合的展開に関して、前年度までに得られた結果を一般化した。以前の研究では線形差分方程式の係数行列を行列の指数関数としていたが、その制限をなくした一般の行列を係数行列とする線形非同次差分方程式の解を初期値で表す一般公式を得た。その公式を用いて初期値により解の漸近挙動を見極めることができる。たとえば有界解の初期値の決定や有界解の存在条件を導きだした。この結果から周期係数線形非同次微分方程式の有界解や周期解の初期値条件を導きだした。 2.周辺研究として次のような結果を得た。(1)音場問題へのFDTD法とPML手法の適用が過渡現象の扱いに有効であることを大学院生との共同研究で明らかにした。また、連成系の固有値問題に対する摂動法の有効性を明らかにした。(2)非斉次ノイマン条件円外帰着波動問題の基本解近似解法について、近似問題の一意可解性と近似解の真の解への指数的収束率に関する理論結果を証明し、多倍長計算によって得られた理論結果に整合する数値計算結果を示した。(3)シャウダーの不動点定理を用いて、幾つかの関数微分方程式の零解が安定・一様安定・漸近安定・一様漸近安定であるための十分条件を求め、幾つかの例を与えた。(4)摂動項をもつ線形関数差分方程式に対し、その解の切片の安定部分と不安定部分を評価することにより、解の漸近挙動に関する結果を導いた。バナッハ空間における可積分核をもつ線形積分微分方程式に対し、零解の漸近安定性とレゾルベントの可積分性との同値性を示し、概周期的摂動項をもつ方程式に対する概周期解の存在定理の確立に応用した。(6)ある一つのダイナミクスに関して、その安定性と、その条件の下においての解析解の存在性の証明および、一般解の導出に関しての新しい理論を提唱した。
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