研究概要 |
平成18年度(2006年度)は次の研究および研究発表を行った。 メビウス群の2元生成部分群Gのヨルゲンセン数J(G)はJ(G):=inf{J(A, B)||tr^2A-4|+|tr[A, B]-2||<A, B>=G}により定義される。 1.研究発表 (1)r【greater than or equal】1に対し、いつJ(G)=rなる非初等的クライン群は存在するかという問題に関し、得られた結果を2006年8月ベトナムのフエで開かれた第14回「ICFIDCA-A」国際学会において招待講演として発表した。(2)上記1とほぼ同じ内容を2006年9月東京工業大学での「函数論シンポジユウム」において招待講演として発表した。(3)古典的ショットキイ群およびショットキイ群について、2007年2月島根大学における「不連続群論およびリーマン面」研究集会において招待講演として発表した。 2 研究成果(1)上記(1)で述べた問題をJ(G)=r,1<r<4(r=2,3)の場合について考察した。2006年12月中国を訪れ、これに関し、中国海洋大学の李副教授及び静岡大学の大学院生と共同研究を行い、三角群に関しいくつかの興味ある結果を得た。特に、(2,4,6)型の三角群のヨルゲンセン数を決定した。(2)上記(1)の結果は2007年8月に開かれる第15回「ICFIDCA-A」国際学会において招待講演として発表する予定である。 3 今後の研究の展開に関する計画来年度は2006年度に(2,4,6)型の三角群に対して得られた証明を一般の三角群の場合に適用したいと考えている。さらに、今後の研究の展開としては(1)ヨルゲンセン群をすべて求めること(2)メイビウス変換群の部分群が離散群であるための判定条件をヨルゲンセン群を用いて求めること(3)古典的ショットキイ群及び一般のショットキイ群のヨルゲンセン数を求めること(4)古典的ショットキイ空間のヨルゲンセン数を求めること及び(5)古典的ショットキイ群によるリーマン面の一意化の問題を考察することを考えている。
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