研究概要 |
[1]バナッハ空間のψ直和の幾何学的性質について主に次の結果を得た。 (1)ψ直和のuniform non-l^n_1-ness等について研究を進め,とくにextreme caseであるl_1-直和およびl_∞-直和について一連の結果を得た。 (2)ψ直和のsmoothnessを特徴づけた。またψ直和のweak nearly uniform smoothnessを特徴づけたが,これを用いてuniformly non-squareでないが不動点性を持つ空間が豊富に存在することを示した。 [2]バナッハ空間の幾何学的定数について主に次の結果を得た。 (1)Von Neumann-Jordan定数の概念の拡張を考察し,一定の結果を得た。 (2)2次元Lorentz数列空間のJames定数に関する従来の結果を改良した。 [3]Hanner型不等式における双対性を示した。また,Hanner型不等式に含まれる重みの最良値をLpに対して決定した。 [4]Property Mと不動点性の関係について,またBanach-Mazur distanceとsuper-reflexivity等の関係について一定の結果を得た。 [5]Lulea工科大学(Sweden)を訪問しHanner型不等式に関する成果について講演した。また海外共同研究者とバナッハ空間の幾何学的定数に関する研究打合せを行い,一定の知見を得た。 [6]本研究で得られた成果を日本数学会秋季総合分科会・年会をはじめ数理解析研究所研究集会,実解析シンポジウム,関数空間セミナー等で発表した。
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