研究課題/領域番号 |
16540170
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大内 忠 上智大学, 理工学部, 教授 (00087082)
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研究分担者 |
内山 康一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053689)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
吉野 邦生 上智大学, 理工学部, 講師 (60138378)
平田 均 上智大学, 理工学部, 助手 (20266076)
青柳 美輝 上智大学, 理工学部, 助手 (90338434)
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キーワード | 複素偏微分方程式 / 漸近展開 / 特異点をもつ解 / 形式解 / 正定符号超関数 / 多重和可能 |
研究概要 |
1 複素領域における偏微分方程式の特異点をもつ解の性質については、特に偏微分方程式の形式整級数解とこの形式整級数を漸近展開にもつ真の解の関連を重点的に研究した。 この分野で最近目覚しく発展した形式整級数の"multi-summability"(多重和可能)の理論を研究し応用した。常微分方程式の場合はよい結果が得られているが、偏微分方程式の解についてはよい結果は少なかった。一版に多重和可能であるためには何らかの厳しい条件をみたすことが必要であると考えられていた。2つ偏微分方程式のクラスを見つけそれに対しては形式級数解が"multi-summable"であるという成果を得た。一つはある意味で常微分方程式の摂動と考えられる偏微分方程式のクラスで、線形の場合を最初に示し、非線形の場合は複雑な計算(評価)を行い、示すことに成功した。もう一つは一階の偏微分方程式でヴェクトル場の標準形の理論に応用できるクラスである。またNonlinear totally characteristic typeと呼ぶ非線型偏微分方程式のクラスを導入し、このクラスについて、(1)特異点を持つ解が存在するための条件、(2)特異点を持つ解の非存在の条件,すなわち解が正則関数となる条件、(3)解の一意性について、を基本的テーマに選び研究しいくつかの成果を得た。また発展途上である。以上に得られた結果は研究集会等で発表しており、一部は公表済みである。 2.超関数の種々の性質を熱方程式の基本解を使って研究した。特に以下について研究し成果を得た。(1)Paley Wienerの定理(2)正の定符号超関数。熱方程式の基本解を使うことにより、(1),(2)に関する超関数の性質の簡明な証明を与えることに成功した。この方法は超関数の他の研究にも応用できると考えられ発展が期待できる。
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