研究課題/領域番号 |
16540172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
大阿久 俊則 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60152039)
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研究分担者 |
宮地 晶彦 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60107696)
小林 一章 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50031323)
大山 淑之 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80223981)
篠原 昌彦 東京女子大学, 文理学部, 教授 (70086346)
小舘 崇子 東京女子大学, 文理学部, 講師 (90317826)
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キーワード | D加群 / 線形偏微分方程式 / アルゴリズム / グレブナー基底 |
研究概要 |
解析的なD加群に対するアルゴリズムの研究を進めた。代数的なD加群、すなわちWey1代数上の有限生成加群に対しては、Buchbergerが多項式環において導入した割り算アルゴリズムが、ほとんど変更なしに適用される。これは言わば大域的な割り算アルゴリズムであり、D加群の局所的な性質、すなわち解析的なD加群としての性質を調べるには、局所的な割り算アルゴリズムが必要である。一方で、割り算アルゴリズムは変数の間の順序関係(項順序)に依存するが、この項順序は、D加群のどのような性質に着目するかによって、自由に選べることが望ましい。たとえば、D加群のb関数や制限の計算のためには、いわゆるV-filtrationと呼ばれる変数の重みに対応した項順序で割り算を実行する必要がある。しかしこのような割り算を通常の微分作用素環で実行するのは一般には不可能であると思われる。そこでAssi-Castro-Grangerにより導入された、微分作用素環の階数に関する斉次化(Rees環)を考え、そこにおいてほとんど任意の項順序に関して実行可能な割り算アルゴリズムを構築した。これはベキ級数環におけるMoraのいわゆるtangent cone algorithmの斉次化微分作用素環への拡張である。これを用いて、十分一般的な項順序について、D加群の局所的な意味でのグレブナー基底、すなわち(広中の意味での)標準基底の計算が可能となった。実際、この割り算アルゴリズムは高山信毅による数式処理システムKanに実装された。 次にこの割り算アルゴリズムの応用として、Grangerとの共同研究によりD加群の解析的(すなわち局所的)な意味での極小自由分解の計算アルゴリズムを得た。また、D加群のregular b-functionと呼ばれる不変量の計算アルゴリズムについても研究を進めた。
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