研究分担者 |
戸川 美郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20112899)
渡邉 昇 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (70191781)
佐藤 圭子 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30366439)
入山 聖史 東京理科大学, 理工学部, 助手 (10385528)
明石 重男 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30202518)
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研究概要 |
(1)量子入力・量子出力系における情報理論の構成 近年幾つかのエントロピーが、ShorやDevetak等によって定義されているが、情報論的観点から見た場合、無限系のエントロピーとしては、様々な面で不都合な点が存在する。長く本研究グループで行ってきた非可換系のエントロピー理論をベースにこれらの不都合な点を解析し、新たなる量子エントロピーを発展させる。 (2)無限量子カオス系の解析 現在、量子カオスとして広く認識されている研究は、Kicked Rotatorやビリヤード系のように、系が有限系であれば、不確定性原理により量子古典対応はlog timeと呼ばれる比較的短い時間で消失することや、スカーと呼ばれるエネルギー固有関数の特徴的な振る舞いが見られることなどがGutzwillerらによる半古典近似理論や数値計算などにより知られている。しかしながら本研究では、上記の本質的には有限次元行列であらわされる系をそのままに扱うのではなく、(その結果を念頭に置きながらも、)観測量がなす代数が非同値表現を許すような無限系を主に扱うことを考えている。無限系の例としては、Noncommutative Bernoulli Shiftや、Weyl代数上に定義されるArnold Cat Map(Narnhofer, Thirring, Sewell)などが挙げられる。このような系の性質はNarnhofer, Thirring Sewell, Emch, Benatti, Hudetz, Fannesらによって調べられており、時間相関関数が完全にdecayするという意味でのmixing propertyが成立することがわかっている。関連した研究として、代表者らにより非可換Dynamical Entropyなどが行われている。本研究における目的は、無限量子カオス系を、情報力学的視点から取り扱い、最近研究代表者らによって古典カオス系の解析に際して採用された「有限系の観測を考慮にいれたカオス尺度」を発展させ、量子系のカオスを扱う数理を構築し、非可換Dynamical Entropy等との関連を調べることである。
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