研究分担者 |
多田 俊政 大同工業大学, 教養部, 教授 (90105635)
上田 英靖 大同工業大学, 教養部, 教授 (20139968)
成田 淳一郎 大同工業大学, 教養部, 助教授 (30189211)
二村 俊英 大同工業大学, 教養部, 講師 (90387605)
中井 三留 名古屋工業大学, 工学部, 名誉教授 (10022550)
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研究概要 |
(1)リーマン面の型問題に関して,複素平面を実軸上の原点について対称な2点を端点にもつ無限個の開曲線に沿って交叉状に貼り合わせて得られるある種の無限葉被覆面について、それが放物型であるための必要十分条件はAhlfors-Sarioの意味でcompleteであることを示した. (2)複素平面の有限葉非有界被覆面R_1,R_2が擬等角同値のとき,R_1とR_2の極小マルチン境界点の個数(いわゆる調和次元)は等しいと予想されている.R_1とR_2がともに2葉または3葉のとき,肯定的であることを示した. (3)双曲型(グリーン関数が存在しない)の開リーマン面上の正値調和関数が有界関数に限るような面を,その極小マルチン境界で特徴付けた:Rを双曲型のリーマン面とするとき、R上の正値調和関数が有界なものに限るための必要十分条件は、Rの極小境界が調和測度正の有限個の点から成ることである. (4)ピカール原理の除外摂動に関して、非負値回転不変ポテンシャルがピカール原理の除外摂動になる為の十分条件について調べ、新しい十分条件を与えた。その結果、既に知られていた条件をみたさない除外摂動の存在が明かとなった。 (5)単一理想境界成分をもつ放物型のリーマン面(ハインズ面)の調和次元の集合を決定せよと言うハインズ問題に関して、任意の放物面に対して同一の調和次元をもつハインズ面が構成できることを示した。 (6)平面領域における有界正則関数環に関する補間点列と調和補間点列の関係について、境界Zalcman領域のような十分に大きな境界成分上の境界点に点列が集積する場合にも、調和補間点列であるが補間点列でない点列が存在することを示した。また、補間点列の特徴付けの問題に関して、ある幾何的条件をみたす平面領域の点列に対して、点列を2分割したときの閉包が交わらないならば補間点列であることを示した。
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