研究課題
1.申請者は8月から一月間フランス・Ecole Cetrale de Lyonに滞在し、Othmer-Stevens modelにおける爆発解の研究をJean-Pierre Loheac氏と行うとともに、現在まで得られた本研究課題に関する研究成果をリオン大学と共同開催の数理生物セミナーにおいて発表し、関連分野の研究者達と交流を深め、この爆発解の研究はその後もLoheac氏と連絡を行い継続しておこなわれている。2.昨年来のAnderson-Chaplain modelの研究をさらに推し進め、これをOthmer-Stevens modelのuptakeの場合に直接変形できることを明らかにした。昨年までに、uptakeの場合がAnderson-Chaplain modelと同じ方程式のクラスに入ることを示し、ここに両モデルの関連性が特徴付けられ、解の存在と性質について厳密な証明をより一般的に与えることができた。今回これを一歩推し進め、実際にAndesrson-Chaplain modelをOthmer Stevens modelのuptake caseに変形できたことで、ここに両モデル共通な数学的構造と腫瘍の血管新生の本質的部分が集約され、さらに両モデルの利点が互いに共有され、すなわちAndesrson-Chaplain modelを統計力学的背景から、そしてOthmer-Stevens modelの医学的背景から解釈することが可能になったといえ、これからの研究の発展の基礎となり得るものと考える。3.2.の結果により、Anderson-Chaplain modelのOthmer-Stevens modelタイプの数値シミュレーションを行うことが可能になり、すなわちReinforced randowalkを基礎として前者モデルも数値計算上の議論ができることが言えた。4.平成19年2月に数学分野の研究者1人(フランス)国内より物理・生物・医学分野の国内研究者3人(自己駆動型力学系等)研究者を招いて小規模の研究会を開催した。各自研究のサーベイと成果を確認、これに基づいて新たな研究協力の計画が進行している。一つはOthmer-Stevens modelの爆発解の研究連絡、粒子に対する理論的アプローチとそれの発展形としての交通渋滞の物理的解析から端を発した方程式を人間の神経系や血流の解析に応用する試みである。5.平成19年3月静岡大学浜松キャンパスで開催された「第2回理論生物学学会」に参加して過去3年間の当研究課題における研究成果を発表した。6.かねてより招聘予定であったM.Chaplain氏は平成19年9月に来日が決定した。
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