研究課題
基盤研究(C)
平成16年度 Levine and SleemanによるOthmer-Stevens modelの単独化の方法を発展させて、Anderson-Chaplain(1998)による血管新生の数学モデルに対しても同様の単独化ができることを示すことに成功した。これら2つのモデルは独立に提唱されたが、このことより各々の単独化方程式の類似性を中心に解析することで、これらのモデルの同値性についても議論することが可能になったといえる。平成17年度 実際Anderson-Chaplain model(以下A-C)の解の存在と性質について厳密な証明を与え、Othmer-Stevensmodel(以下O-S)を含めた形で一般的に扱えることが可能になった。またこのことは、O-Sとの数学的構造の関連性の解明の糸口となった。O-Sにuptake caseを導入しそれを単独方程式化したときA-Cを単独方程式化したものと同じ方程式の範疇に入ることがわかり、ここにおいてO-SとA-C両モデルが同一視され、血管新生の数学モデルとしてそれぞれ独立に提唱された2モデルが、実は共通する数学的構造を有していることがわかった。また、この共通点において腫瘍の血管新生の本質的な数学的構造が存在するものと考えられる。平成18年度 さらにこれを推し進め議論を精密化した。すなわちA-CはO-Sのuptakeの場合に直接変形できることを明らかにした。実際にA-CをO-Sのuptake caseに変形できたことで、ここに両モデル共通な数学的構造と腫瘍の血管新生の本質的部分が数式上に集約され、ここに共有される両モデルの利点が厳密に解明され、すなわちA-Cを統計力学的背景から、そしてO-Sの医学的背景から数学的な意味で厳密に解釈することが可能になったといえ、これからの腫瘍の血管新生の数理的研究の発展の基礎となり得るものと考える。またこれにより、Anderson-Chaplain modelのOthmer-Stevens modelタイプの数値シミュレーションを行うことが可能になり、Reinforced random walkの議論に沿った前者モデルの数値計算上の議論が可能となった。
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