研究分担者 |
大鍛治 隆司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20160426)
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
盛田 健彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00192782)
川下 美潮 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80214633)
小池 達也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324599)
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研究概要 |
幾つかの凸な物体の外部における波動方程式の散乱論におげるラックスーヒリップス予想の修正版に関し,特に,古典力学系のゼータ関数の性質を中心に研究した. 散乱極は,下半平面{z∈C;〓_z【less than or equal】0}には極がないことと,ゼータ関数は下半平面に特異性を持つ可能性が今尚排除されていないことは,散乱極とゼータ関数の特性との関係を調べる難しさの一面を示している。 この関連を調べる第一段階としての問題,ゼータ関数の絶対収束座標が負になる例を作り,そのゼータ関数の特性を調べることを実行した. 3個の狭義凸な物体で,それに対する古典力学のゼータ関数は,絶対収束座標を負になるものを構成した.例を構成する基本的アイディアは,主となる大きな二つの凸な物体の間の周期軌道の減衰度が極めて小さくなるように,周期軌道の反射点にお甘る曲率を小さく取る.一方で,このような物体は,軌道を強く捉える. したがって,捕らえられた軌道が2つの物体の間を往復しているうちに,全体としての減衰が強くもたらされる.こちらの性質は絶対収束座標を正の方に押し上げる.この二律背反的関係を克服するために,ある助変数Eを導入し,曲率の小ささと捕捉の強さをEに応じて調節する. これは極めて微妙な作業で,Eに依存する古典軌道の振る舞いを精密に記述することが,不可欠であるこの軌道の記述の手法は既にわがグループで作り上げられていたので,それを精密化しつつ適用した.それを基にして,3つ目の物体を上手く配置すると,求める例が得られた,
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