研究課題/領域番号 |
16540191
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大山 陽介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10221839)
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研究分担者 |
川中 宣明 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10028219)
日比 孝之 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80181113)
坂根 由昌 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00089872)
伊達 悦朗 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00107062)
永友 清和 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90172543)
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キーワード | パンルヴェ方程式 / モノドロミ / 超幾何方程式 |
研究概要 |
1.モノドロミ可解なパンルヴェ函数の代表的な例として代数解をとりあげた。1911年のR.フックスの忘れ去れた論文を発掘して「パンルヴェ函数が代数的であるとき、対応する線型方程式は独立変数の変換によって(合流)超幾何方程式に変換されるか」という問題(R.フックスの問題と命名)を第1から第5パンルヴェ方程式の場合に考察し、第5方程式のラゲール解以外の場合には有理変換によって、R.フックスの問題が肯定的に解けることを示した(math.CA/0512243)。ラゲール解の場合は、指数函数を用いて解くことができるが、本来のR.フックスの問題意識で解けたといえるかどうか、明らかではない。逆に、合流超幾何方程式の有理変換によって得られるパンルヴェ函数は、有理解と対称解で尽きることを示した。このとき、第34方程式と第2方程式は別の式と考える方が対応関係は自然である。 2.R.フックスの問題を解く過程において、モノドロミ保存変形の完全な退化図式を完成させた(math.CA/0601614)。従来のガルニエ・岡本の退化図式に欠けていたタイプを補った。この副産物で ・線型方程式の特異点タイプは10個あること ・不確定特異点でのポアンカレ・ランクが半整数の場合を退化ケースと見ることにより、パンルヴェ方程式そのものを5つにまとめることができること ・第4と第34パンルヴェ方程式の結合方程式の発見 ・パンルヴェ第34方程式の線型化としてフラシュカ・ニューウエル形式を得ること ・D7型方程式からの第1方程式への退化 などを得た。これによって、モノドロミ保存変形としてみた場合、現時点では完全な退化図式になっていると確信している。
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