研究課題/領域番号 |
16540199
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
上見 練太郎 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (10000845)
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研究分担者 |
高村 博之 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (40241781)
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キーワード | 非線形弾性波動方程式系 / 初期境界値問題 / 大域解 / 等方性 / null condition / Poisson ratio |
研究概要 |
弾性ポテンシャルをもつ等方的な非線形弾性波動方程式系に対する初期値問題の大域解の存在は、2000年に研究代表者とT.C.Siderisによって独立に解決された。物理的には初期条件のほかに境界条件(Neumann又はDirichlet type)を課すのが自然であり、また、世界的に見ても手が付けられていないので、その研究、即ち、初期境界値問題の研究を本研究の課題とした。一般的な状況で問題を解決するのは困難と思われるので、昨年度は未知ベクトルである転位ベクトルがいわゆる球対称であり境界は球面と仮定して、変分問題のEuler方程式より、単独の非線形双曲型方程式とそれに対応するNeumann typeの境界条件を導いた。この方程式の線形部分は5次元の波動方程式の球対称解が満たすべき方程式であることに注意しておく。本年度は線形の初期境界値問題を考え、新しいタイプのエネルギー不等式を導き、解の存在を示した。方法は内部問題と外部問題とでは異なる。外部問題に対しては初期値問題に対するエネルギー不等式を導いた恒等式を用い、どんな弾性体に対してもエネルギー不等式が成立することを示した。内部問題に対しては、上で述べた方程式に原点からの距離の二乗を掛けると三次元的に見ることが出来き、縮みの度合いを表すPoisson比が三分の一より真に大である弾性体に対してエネルギー不等式が成立することを示した。従って、銅やアルミニュウム、ラバーに対してはエネルギー不等式が成立し、鉄やガラス、スチールに対してはエネルギー不等式が成立しない。これらの事実は平成17年8月に開かれた第30回編微分方程式札幌シンポジュウムにおいて発表し、その報告集Proceedings of the 30^<th> Sapporo Symposium on Partial Differential Equationsに掲載されている。研究分担者の論文が欧文雑誌Nonlinear Analysisに受理された。
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