研究概要 |
戸田格子の量子化の研究を行った.2n次元実ユークリッド空間Eを考える.この空間上の急減少関数を係数とするフーリエ積分全体のなす空間Fを考える.FはD-加群の構造を持つ.さらにFのある種の双対全体のなす空間F'を考える、F'もD-加群の構造を持つことがわかる.Eの(q,P)上のフーリエ積分はq方向がn次元トーラスにコンパクト化される.Eはシリンドリカルな空間にE~に変換される,Eは戸田格子のn次元実解析的多様体である等エネルギー面達による葉層構造をもつ.よってE上のフーリエ積分は戸田格子の保存量のデータ空間方向とそのデータによる等エネルギー面方向の積分に分解される.アーノルド・リーヴイルの定理により等エネルギー面はn次元トーラスにコンパクト化される. この事実は先のEのE~への変換の正当性を裏付けている.フーリエ積分(性格にはその双対の)の等エネルギー面方向への積分をラドン変換と呼んだ.フーリエ積分の双対空間はラドン変換後もD加群の構造を保つ.量子化ラックス行列の特性多項式の係数により定義される偏微分作用素はトーラス上定数として作用する.この事実よりこれらの作用素の可換性が証明される.
|