研究課題
約20個程度の大スケールジェットの多周波観測のデータをもとに、そのX線放射機構を検討した。一般的にいってFRI型のジェットではシンクロトロン放射、FRII型のジェットでは逆コンプトンで解釈するのが適切であるという暫定的結論を得た。さらにFRII型の場合、種光子としてはシンクロトロン光子よりも宇宙背景放射と考える方が適切である。この場合大スケールジェットも大きなローレンツ因子をもって強い相対論的ビーミング効果を示していることになる。また、磁場はかなり弱くなる。この結果の及ぼすさまざまな理論的意味について検討を開始している。関連する物理的過程として以下の研究を進めた。1.内部衝撃波の力学構造を考えると、ジェットには観測される相対論的電子の質量密度の千倍程度の質量密度の物質が存在していることを明らかにした。2.偏波観測やジェットの見かけの構造に対する相対論的ビーミング効果について解明し、観測の解釈に対する注意を喚起した。3.コンプトン散乱におけるクライン仁科効果が輻射強度の強い減少をもたらさない場合もあることを指摘した。4.電子陽電子対と陽子からなるプラズマのビーム不安定性について検討した。
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