ガンマ線バースト(GRB)の可視閃光およびGRB発生直後の残光の観測を目的として、広視野を常時監視する観測システムMiyazaki Wide-field Monitor(MWM)を開発し、2004年12月より運用を開始した。 MWMの観測装置は、冷却CCDカメラと写真レンズを組み合わせた3台の広視野カメラ(A・B・C)で、カメラの視野は66°×47°(カメラA)、30°×30°(カメラB)、露出時間15秒における視野中心の限界等級は11.0等級(カメラA)、11.5等級(カメラB・C)である。広視野カメラは宮崎大学工学部屋上にあるロボット望遠鏡(RIMOTS)の観測室内に設置され、研究室の制御用PCから遠隔操作される。制御用PCに観測スケジュールをプログラムすることにより、自動観測を行う。 観測は、視野中心を方位角180度、高度+58度(天の赤道上)に向け、15秒間の固定撮影を23秒間隔で繰り返すことで行われる。一晩にカメラ1台あたり約1700枚の画像が取得される。 カメラAは2004年12月から、カメラB・Cは2006年3月から運用を開始した。約1年間の観測で、宮崎から観測可能なGRBは12個であった。このうち、MWMの視野内で発生したGRBは2個であったが、天候不良でGRB閃光を観測することはできなかった。 2006年3月にMWM専用の観測室を宮崎大学屋上に設置した。RIMOTS観測室が狭隘であったため、これまで固定撮影を行っていたが、専用の観測室を得ることで、赤道儀にカメラを搭載することが可能になる。GRB観測衛星SWIFTの視野方向を観測することにより、観測効率の向上が期待される。
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