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2005 年度 実績報告書

近似無し格子フルQCD計算によるU(1)問題及びパイ中間子・核子シグマ項の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540228
研究機関筑波大学

研究代表者

吉江 友照  筑波大学, 数理物質科学研究科, 助教授 (40183991)

キーワード格子QCD / U(1)問題 / 数値シミュレーション / 3フレーバ / シグマ項
研究概要

本研究の目的は、軽いu,d,sクォークの対生成・消滅効果を取り入れた格子量子色力学の数値シミュレーションによって、素粒子物理学に於ける長年の課題であるU(1)問題とπ中間子・核子σ項問題の定量的解決を図ることである。そのためには、まず、対生成・消滅効果を含むQCDの真空配位を生成し、その上で、伝搬関数や行列要素の計算を行う。
配位の生成には、並列計算機CP-PACSとVPP5000(筑波大)、SR8000(KEK)等を用いた。3つの格子間隔(0.07fm,0.1fm,0.122fm)での配位生成を終了し、8重項の擬スカラーとベクトル中間子の質量スペクトラムの解析を行った。連続極限で、これらのハドロンの質量スペクトラムの実験値がよく再現されることが明らかとなり、フレーバ1重項問題の解決への前提条件が達成された。
U(1)問題等では、8重項質量計算に現れる結合したクォークダイアグラムの計算に加えて、非結合ダイアグラムの計算が必要である。前年度の研究で有望であることがわかったStochastic Noise法を用い、最も荒い格子で、1重項擬スカラー粒子の質量計算を開始した。具体的には、udクォーク質量とsクォーク質量の典型的な1つの組に対して、u.dクォーク非結合ダイアグラムとsクォーク非結合ダイアグラムを計算し、8重項伝搬関数と組み合わせて、udクォーク1重項伝搬関数、sクォーク1重項伝搬関数の2x2行列伝搬関数を計算し、それを対角化して、ηη'粒子伝搬関数を構成した。対角化前のηud,ηs質量はほぼ縮退しているが、非対角項の効果により、縮退が解け、η'はより重く、ηはより軽くなる事がわかった。これは、予想されたシナリオ通りであり、U(1)問題の定量的理解へ向けて、希望の持てる結果である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Nonperturbative O(a) Improvement of the Wilson quark action with the RG-improved gauge action using the Schrodinger functional method2006

    • 著者名/発表者名
      S.Aoki
    • 雑誌名

      Phys.Rev. D73

      ページ: 034501 1-034501 21

  • [雑誌論文] Light Hadron Spectrum and Quark Masses in 2+1 Flavor QCD2005

    • 著者名/発表者名
      T.Ishikawa
    • 雑誌名

      Proceedings of Science LAT2005

      ページ: 057 1-6

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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