研究課題/領域番号 |
16540231
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤川 和男 日本大学, 理工学部, 教授 (30013436)
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研究分担者 |
仲 滋文 日本大学, 理工学部, 教授 (60120515)
出口 真一 日本大学, 理工学部, 教授 (50207502)
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キーワード | ゲージ対称性 / 隠れたゲージ対称性 / 幾何学的位相 / ホロノミー / 指数定理 / 磁気単極子 / 電荷の量子化 / Q変形 |
研究概要 |
4次元時空のゲージ場の起源を考えるのは、興味のある問題である。ゲージ場のゲージ対称性と幾何学的位相に現れるゲージ対称性を関係付けるという考えも過去に提案されており、したがって幾何学的位相のゲージ対称性の起源を解明するのは重要なテーマである。幾何学的位相に現れるゲージ対称性の起源を追求し、その物理的意味をこの一年間研究した。まず、非断熱的位相と呼ばれるものも隠れたゲージ対称性に付随したホロノミーとして定式化できることを示した。この定式化は、従来の定式化に比して量子力学の基礎原理である重ね合わせの原理との整合性がよく、より満足できる定式化になっている。さらに、混合状態の幾何学的位相の研究を進め、この幾何学的位相も隠れたゲージ対称性に伴うホロノミーとするのが、最も満足な定式化を与えることを示した。この定式化の特徴は、観測可能量は全て明らかにゲージ不変であるということにある。過去においては、観測可能量のゲージ不変性は保障されていなかった。このようにして、幾何学的位相は第2量子化に現れる隠れたゲージ対称性に起源を持つという描像が確立された。これは、既存の理解とは全く異なる新しいしかも整合性のよい理解である。 また、分担者の出口は大学院生との共同研究で、Diracの磁気単極子に伴う電荷の量子化をアティアー・シンガーの指数定理の立場から解明した。これは、過去における磁気単極子の存在下における電荷の量子化の議論とは全くことなるアプローチであり、興味のある結果である。分担者の仲は、0変形と非局所的な場の性質の解明を行った。
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