2001年に大統一理論の最も大きな問題である二重項三重項分離の問題が対称性で許される項はすべて0(1)係数看導入するという自然な仮定の下で解1ナること.を発見して(第11回物理学会論文賞受賞)以来、標準模型や超対称性大統一理論における様々な問題を考え直してきた。その結果、多<の問題がこの自然な枠組みの中で非自明な形で解けることがわかり、この方向が有望であることを再確認するとともに、標準模型を超える自然でシンプルかつ有望なシナリオが構築できつつある。このシナリオは、我々が指摘した次の3つの独立なアイデアから成り立っている。「異常U(1)ゲージ対称性大統一理論」、「E6群と偉代対称性」、「軽いヒッグズセクター」である。 本研究課題によって得られた成果は、上記3つのアイデアによる研究の後半部分に属している。そのうちのひとつは、E6統一群と世代対称性により予言されたスカラーフエルミオンの質量スペクトラムにより、予想される実験結果に対する研究である。近い将来、標準模型からのずれが発見される可能性が大きいことを指摘し、実際にどれくらいのずれになるのかを計算した。特に、レプトンフレーバーの破れについての研究を行ったが、B中間子め物理等別のプロセスに関する研究を遂行中である。もうひとつの興味深い結果は、上記3つのアイデアのうち、3つ目のアイデアを発見し、現実的であることを詳細な計算により現実的になりうることを確認したことである。超対称性理論には、LEPが得たヒッグズ質量に対する下限より、大きい質董を得るためには、パラメーター間の微調整が必要である、という問題(微調整問題)が知られてきているが、その問題に対する、興味深い解を提示し、その予言について議論したものである。 ここに挙げた論文は、発表された論文である。まだ、発表されていない多くの研究がある。近いうちに発表する予定である。
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