研究課題
12Cにおいて基底状態(0^+)_1から3αボーズ凝縮状態(0^+)_2への電子非弾性散乱の形状因子を調べた。形状因子がの(0^+)_2の半径に対する依存性の解明を目指したもので、半径は形状因子の山と谷の位置には殆ど影響を与えないが大きさには大きく影響することを示した。また、3αボーズ凝縮状態の励起状態である(2^+)_2状態への電子非弾性散乱の形状因子を計算した。これは近々行われると予想される実験に対応して予言値を与えるものである。同様に160での4αボーズ凝縮状態への電子非弾性散乱の形状因子を予言値として計算した。160での4αボーズ凝縮状態への(α、α')非弾性散乱の微分断面積を計算し、実験の予備的な結果と良好な一致を見た。160での4αボーズ凝縮状態の研究としては4αの4体の直交条件模型の計算を開始した。これは、12C+αのクラスター構造と4αボーズ凝縮のクラスター構造の結合の様相を調べるための計算である。Di-neutron凝縮は中性子過剰核の重要な問題としてますます注目の的となっている。それは展開的なハロー核である11Liが9Li+Di-neutronの構造を持っていることがほぼ確立してきたことや、Hartree-Fock Bogoliubov計算で希薄密度の中性子スキン領域にDi-neutronが形成されることが分かってきたからである。そこでDi-neutron凝縮波動関数を用いた研究が強く望まれることとなった。今年度はDi-neutron凝縮波動関数による行列要素の解析的表式の導出方法を完成させた。また行列要素の代数的構造も明らかにした。それは置換群の共役類が基本となる構造である。さらにまた、CORE核の周りにDi-neutron凝縮させた波動関数による行列要素や、Di-neutron凝縮波動関数+AMD波動関数の1次結合波動関数による行列要素の計算公式をも導いた。40Ca核におい超変形構造と種々のクラスター構造の共存と結合の問題を研究した。基底波動関数として、超変形構造波動関数と種々のクラスター構造波動関数を動員してハミルトニアンを対角化して得られた固有状態の波動関数の分析を行った。Skyrme Hartree-Fock計算で得られる、波動関数の分析してそこに含まれるクラスター構造成分を調べた。対象はN=Zの偶隅核で質量数は8から40まで。基底状態と励起超変形状態の波動関数を調べた。クラスター構造成分が多い場合と少ない場合があり、今後の構造研究に基本的知見を与えるものとなる。
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Nuclear Physics A 767
ページ: 58-80
Progress of Theoretical Physics 115, No.1
ページ: 115-127
European Physical Journal A 24
ページ: 321-342