研究概要 |
本研究では、不安定原子核での対相関や変形の効果をHartree-Fock BCS理論やHartree-Fock Bogoliubov理論により研究し、基底状態や励起状態の特徴を研究した。Skyrme Hartree-Fock BCS理論を用いて、軽い原子核や中重核の変形のアイソスピン依存性を調べ、電気4重極子や磁気モーメントの実験結果との比較により、HF模型の予言性を定量的に検討した。また、Skyrme Hartree-Fock(HF)および相対論的平均場近似(RMF)により非対称核物質の性質と中性子過剰核のスキンとの相関を研究し、中性子核物質の圧力と重い原子核^<208>Pbの中性子スキンとの強い相関を、さまざまなSkyrme parameter setsやRMF Lagrangianを用いることにより明らかにした。^<208>Pbの中性子スキンを実験的に検証するために,荷電移行反応によるspin-dipole励起状態のモデル依存のない和則に注目し、その実験的検証について研究した。 また、中性子過剰核のBorromean原子核とよばれる、coreの外側に,2個の粒子が存在してはじめて結合状態を作る原子核,特に^<11>Liや^6Heについて、3体模型で対相関の重要性を定量的に検討した。その中で、対相関によって発生するクーパー対が,BCS的状態から、Bose-Einstein凝縮的な状態への変化が原子核の表面付近で発生することを示した。 これまで相対論的平均場近似でとり入れられなかった、パイ中間子の効果を相対論的HF理論で取り入れて,psuedo-spin対称性や独立粒子模型の殻構造の研究を行った。その結果として、パイ中間子によるテンソル力が重要な効果を持つことを明らかにした.
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