研究概要 |
1)非弾性散乱における虹散乱とエアリー構造はその存在・メカニズムともにほとんどわかっていなかった.われわれはα+^<40>Ca非弾性散乱について低いエネルギーから高いエネルギーまで系統的に広域核間ポテンシャルをもちいて研究し,エアリー構造の存在とその生成のメカニズムを明らかにした(文献1,3)基本的に弾性散乱の場合と同じメカニズムであることが明らかにされた.アルファ粒子以外での非弾性エアリー構造,核虹の可能性が指摘された. 2)^<36>Arにおけるクラスター構造がα+^<32>Sクラスター模型でパウリ原理を半微視的にとりいれる直交条件模型で調べられた.エネルギー準位,B(E2)が計算され実験値をよく再現した.実験でみつかっている超変形はα+^<32>Sクラスター構造をもっているとして理解されることが示された.負パリティのクラスター構造をもつ超変形構造の存在が予言された.α分光学的因子が計算され負パリティでは多くの状態に分散していることが示された(文献2). 3)^<12>Cの第2励起0^+状態における3個のα粒子がボーズ・アインシュタイン凝縮をしていれば,密度が大変希薄になっている.この希薄な状態は大きな核レンズに対応し,α粒子の非弾性虹散乱において弾性散乱にくらべエアリー振動の数がふえ,該虹角が後方に移動するボーズ・アインシュタイン凝縮をもつとする波動関数が実験データよく再現すること示された.(文献4). 1)F.Michel and S.Ohkubo, Nuclear Physics A738 (2004) 231-235. 2)T.Sakuda and S.Ohkubo, Nuclear Physics A744 (2004) 77-91;A748(2005)699. 3)F.Michel and S.Ohkubo, Physical Review C70,No.4 (2004) 044609/1-7. 4)S.Ohkubo and Y.Hirabayashi, Physical Review C70,No.4(2004)041602(R)/1-4.
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