研究概要 |
1)従来,虹散乱はα粒子や^<16>Oなどの魔法核のように吸収の少ない系において見られることが示されてきた。今回,弱結合系である^6Liにおいても^<12>C核からの散乱を系統的に研究し,虹散乱,エアリー構造が存在することが示された.低いエネルギーから高いエネルギーの広い範囲をよく記述する光学ポテンシャルが決定された.内部波・外部波分解法により内部波の寄与がこれまで考えられていた以上に大きいことが判明した,同じような特徴が^6Li+^<16>O,^7Li+^<12>C散乱においても見られることが示された.さらに非弾性散乱においてもエアリー構造が存在することが示された.これらのことから,^6Li,^7Liは意外にも吸収がそれほど強くないことが示された.ハロー構造をもつ^6Heの^<12>Cからの散乱が解析され,^6Liに似て内部波の寄与がかなりあり,エアリー構造の存在の可能性が議論された. 2) ^<44>Ti領域におけるクラスター構造の存在はすでに確立されたが,弱結合描像からこの周辺領域の核においてもαクラスター構造の存在が理論的に予言されていた.^<38>Arにおけるα+^<34>Sクラスター構造を実験的に明らかにするため^<34>S(^7Li,αt)相関実験と,その解析が行われた.その結果,理論的に予言された励起エネルギー領域に負パリティバンドに属すると思われるクラスター状態が発見された. 1)F.Michel and S.Ohkubo, Physical Review C72(2005)055601/1-4. 2)M.Fukada, M.Ohmura, F.Harima, K.Ogino, K.Takimoto, and S.Ohkubo, Physical Review C71(2005)067602/1-4. 3)T.Sakuda and S.Ohkubo, Nuclear Physics A748(2005)699.
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