研究概要 |
引き続き、SO(10)GUTの研究と、それの質量模型との関連性について研究しました。 この年度の大きな収穫は、'06年12月に行われた、quark-lepton質量模型に関するShizuoka Conferenceで口頭発表された仕事にあり意味、集約されています。 すなわち、renormalizable minimal SO(10) GUT modelは、われわれによって、GUTから標準模型にいたる対称性の破れのパターンが調べ上げられ、このmodelはより精密科学になってきました。 逆にこのことによって、理論の不整合も明らかになってきました。すなわち、対称性の破れの構造が詳しくなったために、GUTにいたるゲージ結合常数の繰り込み進化が、より精密になった結果、理論の整合性が崩れてきました。 そのために、我々はこの理論を4次元でなくて5次元の曲がった空間に置かれたと考えれば、この困難が救えること、 なお重要なことは、このことによって従来このrenormalizable minimal SO(10) GUT modelの弱点と言われたGUT以後の統一結合常数の発散の問題が同時に解決されることがわかりました。 このように我々の理論は常に観測の厳しいチェックを受け(検証可能)、そうしてその課題を克服することによって さらに完成度を上げていくという極めて健全な発展をしています。前回のこのShizuoka Conferenceで発表された、我々の、"Mass Matrix of Majorana Neutrinos" Proceeding of 1997 Shizuoka Workshop on Masses and Mixings of Quarks and Leptons, 19-21(1997)が、今mu-tau対称模型として、世界的に大きな注目を浴びています。我々は、今回のConferenceで、質量模型とSO(10)GUTとの関連性についても詳しく報告しました。
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